2019
7
Oct

乗り物

キマロキ編成

キマロキ編成

キマロキ編成


 

 
海道北部に位置する名寄市。
名寄市の中心地である名寄駅からもほど近い場所に位置する北国博物館にはキマロキ編成と呼ばれる雪国を走る鉄道を支えたSL排雪列車が保存展示されています。

 

保存列車

壁の様に連なるSLの編成

先頭のSLは9600形

ロータリー車

最後尾のSLはD51形


 

後にSLが連なるキマロキ編成と呼ばれるこの列車は、ラッセル車によって除雪した雪が線路際に積み重なったものを切り崩し更に遠くへと投雪する目的で利用されました。通常の除雪作業であればラッセル車によって線路上に積もった雪を左右へと押しのけるだけですが、豪雪地帯においては押しのけた雪すら線路際に壁となり積み重なってしまうため、雪壁を切り崩し更に遠くへと排除する必要があったのです。
キマロキ編成の名前ですが機関車のキ、マックレー車のマ、ロータリー車のロ、そして機関車のキの頭文字を取ったものです。名前の通り4両編成のキマロキ編成ですが、実際にはSLとマックレー車、ロータリー車とSLの2つのペアに分けて、その2つを1セットとして使用し、マックレー車が雪を切り崩した後にロータリー車が投雪すると言う形がとられました。
余談ながら、北海道外ですがキマロキ編成ですら対処不能となり、キマロキ編成に更に先頭にラッセル車を向かい合わせにし、編成最後尾にも脱出用のラッセル車を連結したララキマロキラ編成なるものが投入されたこともあるそうです。

近年ではローカル線の廃止が進むように、地方部においては生活の脚は鉄道から自動車にとって代わられていますが、昭和中期までの厳冬期には道路が封鎖され鉄路だけが生命線と言う村々は数多にあったため、ライフラインである鉄道を絶対に走らせるために編み出されたキマロキ編成。この地に保存され半世紀近くが過ぎますが、豪雪地帯の屋外保管と言う保存車両にとっては厳しい条件下ですが、保存されている車両はピカピカに磨かれ手入れの行き届き、今でも住民に愛されいるのが伺えます。
名寄を訪れたら見学してみてはいかがでしょうか。鉄道のことに詳しく無くても壁のように連なる黒いSLの先生は迫力があって見応え抜群です。
 

「“雪と闘うプロ”スペシャル」


 

 

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