2022
27
Jul

撮影機材・道具・その他(Equipment・Tools)

Tokina SZX 400mm F8 Reflexを試す

Tokina SZX 400mm F8 Reflex

Tokina SZX 400mm F8 Reflex

 

2022年4月にケンコーより発売されたTokina SZX 400mm F8レフレックスレンズ。
こちらのレンズをケンコーサービスセンターレンズレンタルを利用してお借りして来ました。

 

 

上記のリンクはケンコートキナー公式サイトへの外部リンクです。
https://www.kenko-tokina.co.jp/service-shop/#tab_02

HPによると会員登録後1週間ほどでレンタル可能とのことでしたが、実際には会員カードをその場で発行してもらえ、レンタルもその日から可能でした。

 

スマホとのサイズ比較

 

通常のレンズに比べ圧倒的に小型軽量にすることが可能なレフレックスレンズですが、参考までにスマートフォンとのサイズ比較です。スマホの長さが約15㎝なのでレンズ単体であればスマホの半分程度、マウントアダプター込みでスマホと同程度、カメラ付きでスマホより少し長いと言う400mmのレンズとしては、とてもコンパクトです。

 

レフレックスレンズについてはケンコーのHPが判りやすいのでリンクをご覧ください。

 

 

上記のリンクはケンコートキナー公式サイトへの外部リンクです。
https://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/lens/mirror_lens.html

 

メーカーサイトは得てして欠点を記載しないものなので、レフレックスレンズの欠点について記載させていただきます。

・絞りが固定式であり被写界深度が浅い
・逆光時や被写体との距離が近い場合にはリング状のボケが目立つ
・画像処理をしない場合はピント位置においても眠い画になる、またピント位置の判断がし難い
・ピント位置においてもシャープではないので、フォーカスピーキングが反応し難い
  手のひらサイズの望遠レンズと言うキャッチコピーが先行しがちですが、上記のように決して万能と言う訳では無いので、レンズの欠点を補う撮り方が必要になります。

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実写

 

実写(距離約50m)

 

被写体との距離が近い場合は背後のボケは2線ボケのような煩い状態になります。
しかしピント位置においてはキチンと解像しつつ、ピントの外れた位置は400mm/f8らしいボケを見せてくれます。

  ※すべての画像でZ7Ⅱを使用し手持ちで撮影しています。またLightroom等で基本的な画像処理を行っています。
 

距離約100m

 

被写体との距離が離れてゆくにつれボケの煩さは目立たなくなります。
動体撮影ではピント位置を追従させるのはピントの山が掴み難く困難だったためピントを事前に被写体の通過位置に置く、いわゆる置きピンで対応しました。

 

距離約10m

 

極端に被写体との距離が近い場合はボケは2線ボケどころではなく、背景がブレているとでも言いたくなる、長時間見ていると酔いそうな酷いものになります。近距離にピントを合わせる場合は特に背景に注意が必要です。

 

距離約4m

 

被写体との距離が近くとも、背後にボケとなるようなものが無い場合にはレフレックスレンズとしては充分な写りをします。後処理なりカメラ側の設定でシャープネスとコントラストを強めにする等すれば実用上問題にはなりません。

 

距離約50m(中央の窓にピント合わせ)

 

ピントは浅いものの良く写ります。

 

距離約1㎞

 

背景が空ともなれば、レフレックスレンズであることを一瞬で見抜くのは困難でしょう。日本の夏場の高温多湿で大気も濁っている状況下で、これだけ写るのは凄いですね。
 
実際に撮り歩いてやはり「少し眠いレンズ」ではあると思いましたが、通常の画像処理をおこなえば充分問題ないレベルなので、そういった意味では「良く写るレフレックスレンズ」と言えます。
またF8と言う暗さについても今のカメラは高感度性能が優秀であることや、光を充分取り込める環境であれば多少ISO感度が高くなっても問題が無いので、気にする必要はないかと思いました。
レフレックスレンズが苦手とする逆光や近距離の撮影などを避けるのであれば、今回ケンコーがケンコーブランドでなくトキナーブランドで発売した理由が分かるポテンシャルの高さです。

 

使ってみたうえでの個人的な使用感ですが「予想以上に写るが予想以上にメンドクサイ」そして「矛盾と言う言葉はこのレンズのために在る」の二つで言い表せます。
本来小型軽量であり空いたスペースに入れる事の出来ると言うのがレフレックスレンズの利点ですが、ピントの浅さ及びピントの山が掴み難いソフトな描写のせいで、正確なピント合わせには三脚が必要であると言う、レンズの小型軽量さを無意味なものにする欠点があります。(この辺りはこのレンズ特有のものではなくレフレックスレンズ全般に言えるでしょう。)
またミラーレス機にはファインダーを覗いたまま拡大表示する事によりフォーカスをし易くする機能が備わっていますが、そもそもピントの山が掴み難いため、ピント合わせに集中するあまりフレーミングが疎かになります。

このような特徴的かつ特性を理解して使用する必要のあるレンズなので、小型軽量の望遠レンズだと思って購入するとガッカリするかと思います。400mm程度の画角が必要であれば中古でも良いのでシグマやタムロンの100-400のような400mmの画角をカバーするものや70-200mmに2倍のテレコンを付ける方法をおススメします。今のカメラの画素数であればHPに載せる程度であれば2倍程度トリミングしても問題無いので、トリミングで済ませてしまうのもありでしょう。

SIGMA100-400mm/f5-6.3は価格重量共に400mmレフレックスレンズの2倍ほどですが、汎用性や撮り易さではこちらの方が優れます。

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おおよそ4万円強なのでちょっとしたオールドレンズを買うようなものなので、シチュエーションや天候を選び良いものを撮ろうとする楽しみ方を見いだせるなら買うのも良いかも知れません。

マイクロ領域(中央付近2枚の窓の様な凹みの左側にピントを合わせています)

 

近接撮影できることが売りのひとつですが、400mmF8で1.5mくらいの距離ってピントの合う範囲はこのくらいです。そして上に記載した通り、近距離になる程ボケは煩くなるので、なにがなんだか状態です。写ることは写るので販売戦略上のセールスポイントとして付け加えたんだと割り切りましょう。

 

欠点を承知の上で買おうとする方へ

Tマウントを各社のマウントへ合わせるマウントアダプターはカメラの向きを自在に回転させることが出来るような構造になっており、回転防止の為にネジで固定されていますがネジが緩みやすいので、締め直すための精密マイナスドライバーが必要です。(1.2mmの精密マイナスドライバーで締め直せます)
ニコンユーザーへの注意点になりますが、ボディがZシリーズでFTZを常用する方でもレンズはZ用を買ってください。Fマウント用を使用しFTZに装着した場合、レンズのロックが掛からず固定されないので、使用する事が出来ません。

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