砂島橋から夜景を撮る
江東区を東西に流れ隅田川と旧中川(旧中川を経て荒川)を結ぶ全長約4,9kmの小名木川。運河の起点から約1.2㎞、新宿線の大島駅と東西線の南砂町駅を結んだ直線状の位置に架かる砂島橋。その橋上から両岸に建ち並ぶマンション群の煌びやかな灯りや、下流方面は遠く東京都心のビル群まで見通す事ができます。
小名木川について
河川の北側を走る都営地下鉄新宿線の森下~東大島駅間とほぼ並行に流れる全長約4,9kmのこの河川は、江戸時代初期に徳川家康の命を受け作られた運河です。隅田川と荒川の間の三角地帯と言うのは海抜ゼロメートル地帯と言われ、東京湾の満潮時の水位より地面が低くなる低地で、当然ながら小名木川の両岸も海抜ゼロメートル地帯となっています。(海抜ゼロメートルと言ってもぴったり0ではなくマイナス海抜になるので、場所によってはマイナス5メートルなどになる場所もあります。)そんな小名木川に東京湾の水位と連動している荒川や隅田川とダイレクトに直結してしまうと、小名木川自体の水位も非常に高くなり危険なので、荒川ロックゲートと扇橋閘門によって仕切られ、常にA.P-1mになるように調整されています。そのため東京湾の満潮時には最大で3mもの高低差が発生します。当然ながら江戸時代から海抜ゼロメートル地帯だった訳もなく、この三角地帯が海抜ゼロメートル地帯になったのは、明治以降の地下水のくみ上げによるものです。地盤沈下により河川が高くなるので、その度に護岸を積み上げ、最大で東京湾の満潮時の平均よりも高くなるA.P+3.36mまで高くなりました。しかし老朽化による護岸の崩壊や台風等の増水時には堤防を越える恐れがあることから、河川を水門で仕切り、水自体の流入を防ぎ護岸も改良することになった結果、現在の小名木川の姿になりました。
A.P,T.Pと言うのは荒川ペイル、東京湾ペイルの略で、T.Pは隅田川河口の霊岸島に設置した計器による水位の平均を0としたもので、明治6年から12年までの東京湾の水面を平均すると荒川の最低水位より1,1344m高かったのでこれを0にし全国の基準点としたもので、T.P0mは海抜0mと言う事になります。A.Pは荒川の最低水位を基準にしているので、T.P0m=A.P+1,1344mとなっています。
また、小名木川は水流の流れがほとんどなく非常に穏やかな河川なので、流れの方向が分りにくいため、地図で見た際の河川の上側を北岸、下側を南岸と呼ぶことが一般的で、普通の河川で言う右岸左岸と言う表現はおこなわれません。(河川法上は旧中川を起点に隅田川に注いでいるので、北岸が右岸、南岸が左岸になります。)
小名木川をはじめとした江東内部河川東部は西から東へ(隅田川方向から荒川方向)人工的に河川の流れを作っているので、河川法上の上流下流とは逆方向に水が流れる面白い構造をしています。
※横十間川は北から南へと流れています。
夜景風景
ほとんど一直線に伸びる小名木川の上からは、東京とは思えない程に視界が広がり、橋上から隅田川方面を見ると、5㎞以上離れた日本橋に建つ高層ビルまで見ることができます。真っ直ぐに視界が開けているのに、河川の両岸に壁のようにマンションや団地が連なるのは、シムシティ?トランスポートフィーバー?とにかくシミュレーションのような街並みで、とても美しく、空の青と水面の青や遊歩道の緑が加わると、個人的にはもう完璧!としか言えません。
住所 |
東京都江東区大島5-21-14 |
最寄り駅・バス停 |
都営地下鉄新宿線 大島駅より徒歩約10分 |
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