矢切富士見公園から夕暮れの富士山を撮る
矢切富士見公園は松戸市の南東部に位置する上矢切に位置し、同じく松戸市の南東部を南北に貫く東京外かく環状道路(通称外環)のトンネル上に作られた公園です。公園は台地の端に位置することから園内北側外環トンネル出口上付近からは建物に遮られることなく、東京都市部や富士山などを眺めることができます。
富士山夕景
矢切は地区の南北をそれぞれ常磐線と北総鉄道が通り、公園の下には公園が造成される理由ともなった外環が走り、都心までの距離や交通の便の良さなどの立地を考えれば、隣接する市川市や流山市のように江戸川ギリギリまで宅地開発がおこなわれていても不思議ではありませんが、台地の下には江戸川にかけての1㎞以上にも渡る距離の平地がほとんど田畑として使われています。そのため、この公園など見晴らしの良い場所から昼間に江戸川方向を見ると、江戸川の堤防越しに金町や高砂などの住宅がびっしりと建ち並び遠くには東京都市部の高層ビル群も見える、まさに大都会と言った景色が広がるのに対し、堤防より手前は田畑が広がると言う対照的な景色が見られます。川を挟んだからと言ってしまえばそれまでですが、隣接する市川市は対岸の東京都に負けず劣らず川ギリギリまで住宅がみっちりと建ち並び、東京メガロポリスを形成しているので、なおのこと田畑が広がるこの景色は不思議であり、対岸との景色の対比が目立ちます。
これには当然ながら理由があり、台地の眼下に広がる矢切地区は松戸市に12か所ある市街化調整区域1のうちの1つに指定されているためであり、また区域全域が江戸川洪水浸水想定区域になっており、最悪の場合には5m以上の浸水が予想されるなど、人が住むには不向きなため、東京のすぐそばにありながらも広大な農地が残っています。
因みにこの矢切区域では主にネギが作られていますが、この区域で作られるネギは身が太く白と緑のコントラストが美しいため料理に映えるうえに、歯ごたえの良さと果物並みとも言われる糖度をもち風味も良いつことから、高級料亭などでも重宝されるなど、松戸市の名産として名を馳せています。甘くて肉厚で芳醇なネギになる理由は、田畑が低い位置にあり、江戸川と坂川のふたつの川に挟まれているため、土壌に水分が豊富で肥料を効率よく吸収することができると言う立地のためです。
と言う訳で、あの畑は高級ネギが植わっているのかなんて思いながら、富士山と東京都心の夜景を眺めてはいかがでしょうか。
公園は崖ギリギリまで作られていますが、恐らくボール遊び等をした際にトンネルを抜けた外環に落ちる危険性があるためか、園内遊歩道より崖側が柵で立ち入り禁止になっています。そのため一番富士山が良く見える場所へは立ち入ることができず、富士山を撮影するには公園端部歩道橋へのアクセス路から金網越しに撮ることになります。金網越しのため強い光源にはクロスフィルターを取り付けたような光芒が発生します。
住所 |
千葉県松戸市上矢切168-5 |
最寄り駅・バス停 |
北総鉄道 矢切駅より徒歩約20分 |
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