2023
6
Oct

撮影機材・道具・その他

DeepPRIME XDとLightroom AIノイズ処理を比較する

AIノイズリダクションを比較する


 AIによるノイズリダクションが話題となったDxO DeepPRIME XDですが、その後Adobe社もLightroomにAIによるノイズ処理を搭載し、ユーザーとしてはAdobeに追加してDxOのノイズ処理ソフトを導入するべきか悩ましい所です。

 

 そこで上記の画像の元データを使いDxOとLightroomでそれぞれノイズリダクションを比較してみました。

 それぞれ画像の条件を合わせる為に、DxO側はノイズリダクションをデフォルト(輝度・レンズシャープネス・色収差)とし、Lightroom側はAIノイズ除去及び色収差補正のみONとしています。

左側がDxO、右側がLightroomです。

上記の元画像を等倍の1200×800pixで切り取ったものです。
同じく左側がDxO、右側がLightroomです。

一見するとDxOの方がパキッとしてシャープな印象がし、Lightroomはノイズが残りボヤッとした感じがします。
しかしDxOはシャープネスを掛け過ぎているのか、列車の数字や車内の人などに不自然さを感じます。逆にLightroomはノイズが残る代わりに細部の不自然さは殆どありません。

これはDxO側はノイズリダクション項目にレンズシャープネスが有り、これがONになっているからでは?と思い、この項目をOFFにしたものを出力してみることにしました。


画像右側を見るとレンズシャープネス等のノイズリダクションの詳細設定の項目があり、デフォルトではグローバル0、ディテール50、ボケ表現50となっています。

左側がシャープネスON、右側がシャープネスOFFです。
確かにシャープネスOFFの方が不自然さはありませんが、比較するとシャープネスONもOFFにシャープネスを足しただけなので、元のノイズ処理の段階でのっぺりとした状態になっています。

シャープネスOFFですが何となくONにしたら荒れそうな予感がします。


とは言え細かい設定が出来るのがDxO DeepPRIME XDです。パラメーターを調整してLightroomのノイズリダクションに近づけてみました。(Lightroom側もシャープネス等を調整してからAIノイズリダクションを使えば)
左側がLightroomで右側がDxO(Lightroomはデフォルト、DxOは調整済み。)ですが、殆ど違いがありません。

逆にLightroom側のシャープネス等を調整してからAIノイズリダクションを掛けてみたらと思い、試してみました。今度は左側がDxOで右側がLightroomです。(DxOはデフォルト、Lightroomは調整済み。)
ノイズ処理能力はDxOの方が良好でLightroomはノイズが残っていますが、やはり全体のバランスとしてはLightroomの方が不自然さもなく良い感じです。

この画像のみで優劣を語るのは早計かと思いますが、主観で言えばノイズ除去とシャープさを重視するのであればDxO DEEP PRIME XD、全体のバランスを取るのであればLightroom AIと言った所でしょうか。
もちろん上の方で試した通り、DxOのノイズ除去パラメーターを調整し過剰にならないよう処理すればLightroomのノイズリダクションと同じように、ノイズとディテールのバランスを取る事も出来ます。

とは言えある程度の大きさでプリントやモニタで鑑賞するのであれば、どちらであっても充分に撮影した画像を綺麗にしてくれ、細部のノイズやディテールの違和感も気にならないかと思います。上の2つの画像はクリックすると新規タブで開くように設定して有るので、元データの半分程度の大きさですが確めて見て下さい。撮った本人もLightroomで等倍100%くらいにしないと見分けがつきません。
Adobe社製の製品は月額1,000円程度の日常的に使用するLightroomに無料で追加された機能であるのに対し、DxO社の製品は買い切りで10,000円程度なので、個人的にはコントラフリーローディング効果の所為でDxOのが優れてなきゃヤダと思い、チマチマ設定しましたが、結果的に無料なのにAdobe社やるじゃんと。これノイズ処理した段階でパキパキのRAWデータが欲しい、もしくはよりノイズを低減したいのでなければDxOノイズリダクションソフトを買う意味が無いと思いますし、逆にAdobe社のAIノイズリダクションに不満を抱いた場合にDxOを導入しても劇的に改善される訳では無いかと思います。
それでも細かい調整をしたいならDxOPhotLabを買ってねと言った所でしょうか。

 

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